今の時代はインフレの時代
それをどのくらいの人が理解できているでしょうか?
偉そうに言っている私も最近までよくわかっておりませんでした。
安倍首相は「国民の給与を引き上げる」と高らかに宣言し、実際に国民の給与は
2014年~2018年の5年間で12%上昇しています。
そうなんです。全体で見るとアベノミクスによって給料は上がっているんです。
大企業を中心にその波は確実に来ています。
ただ、そうは言っても
「全然給料なんて上がってねーよ!!」
と思われる方ももちろんいらっしゃると思います。
このあおりを受けて苦しいのは中小企業ですね。
給料を上げると人件費が増えるので会社の経営が苦しくなります。
ですが、もうそうも言っていられない時代になってきています。
アルバイトの求人票などを見るとよくわかるかと。
コンビニやマクドナルドのアルバイト募集の張り紙を見ると
「時給1200円」とか「時給1500円」なんてところも
少し前を考えると信じられないですよね。
私も学生時代アルバイトをしていましたが、高校のスーパーの時なんて「675円」ですよ(笑)
大学生のファミレスの時も「850円」
それが今は倍近くになっている
最低賃金が引き上げられているからですね。
最低賃金が上がり、それに押し上げられて会社としても給与を上げざるを得なくなる。
賃上げの流れに乗れない企業は人材が離れて淘汰されていく。。
そんな時代なのかなと感じます。
働く側からしたら給料があがるのでうれしいですよね。
やった、給料上がった!ボーナス増えた!
、、、本当に素直に喜んでいていいものなのでしょうか?
そもそも、なぜ私たちの給料が上がっているのか?
というところを理解しているかいないかで、この給与増に対する考え方も変わるでしょう。
2012年に民主党から自民党に政権が変わり、安倍晋三さんが再び首相に
そしてアベノミクスを発動させました。
このタイミングがデフレからインフレへの転換期となっています。
(デフレとインフレの違い、どうしていくのが良いのか?という話は
別の記事にて)
そして2013年、日銀の黒田総裁が金融緩和政策を打ち出しました。
これ、どのくらいの人が内容を理解していたでしょうか?
「マネタリーベースを倍にする」と黒田総裁は言ったのです。
ものすごい重大発表だったのにもかかわらず、私たちの大部分はその発言、政策の意味をよく理解できておらず、ニュースで見るだけで普段と変わらない生活を送っていました。
しかしマーケットは敏感に反応していました。
この発表の後、ドル円の為替レートが1週間で8円動いたのです。
※リーマンショックで政府が介入した時でさえ3円と考えるとものすごい動きというのがよくわかるかと思います。
そして黒田総裁の宣言した通り、マネタリーベースは倍増しました。
日銀の当座預金額がまず上昇し、各金融機関の当座預金額が上昇、そこから市場にお金が流れるようになっています。
一見お金が増えてハッピー
と誤解しやすいのですが、流通しているお金が増えると同時に物価もしっかり上がっているのです。
それがインフレなのです。
お金の流通量が増え、物価が上昇
収入が増える代わりに出ていくお金も同様に増えている状態なのです。
だからニュースで給与が上がった、景気が良くなったと言っていても私たちの生活は大きく変わっていないと思います。
ですが、これで終わってはいけません。
インフレで引き起こされているお金の流通量の上昇と物価の上昇が何を意味するのか?を理解しましょう。
今まで100円で買えていた水が200円になったとします。
これはどういうことか分かるでしょうか?
その水の価値が倍になったと思いますか?違いますよね。
お金の価値が半分になっているのです。
つまりインフレによって引き起こされる物価上昇はお金の価値の下落を伴っているのです。
え、だからつまりどういうこと?給料も上がってるからトントンじゃん
という方もいるかもしれません。
でもよく考えてみてください。
今の日本人の多くは資産をどういう形で持っているでしょうか?
株式投資やFX、外貨預金、不動産などなど運用手段はあるかと思いますが、それをどれだけの人がやっているでしょうか?
今までの長い長いデフレ期間の中で、
投資はやるだけ損、おとなしく貯金するのが一番
というマインドが染みついています。
ご両親やご年配の方ほどこういう傾向がないですか?
そう、貯蓄、貯金という形で持っている方が多いのです。
これが何を意味するのか?
これから入ってくるお金は増えていく。
これから出ていくお金も増えていく。
ではこれまで貯めてきたお金は増えますか?増えませんよね?
新卒から頑張って貯金して口座に1000万円あるとしましょう。
今、インフレで黒田総裁がマネタリーベースを増やすと宣言して、市場に流通するお金は3割増えています。
ではあなたが持っているお金は1300万円になっていますか?
ということなのです。
そう、円の価値が切り下げられている、価値が下落しているということは
円で担保されている資産の価値も同様に目減りしているということなのです。
株や不動産価格など円で見れば上昇していますが、円の価値が下がっているため
ドルなどの外貨の観点で見ればどんどん安くなっているのです。
(円安で1ドル=120円ほど)
ですから、今の時代、積極的にお金を動かして円での資産に頼らない資産形成が大切になってきているのです。
いや、そうは言っても投資とか怖いし、やっぱり貯金が一番なんじゃ
などといっていると、必ず後々苦しくなることは明確です。
どんなに貯金しても、生命保険などで円建ての個人年金を積み立てていたとしても
これからどんどん円の価値が下落していくことを考えると、額面は同じでも将来もらえる時にはその価値は半分以下ということもあり得るのです。
日本人は特にお金にまつわることはイヤらしいこと汚いことという考えが根強く、
まともな教育をされないまま大人になるという現状があります。
これからの時代、自分で勉強して知識を付けて対策していかないと憂き目を見るというのは間違いないです。
私もまだまだ勉強中ですが、もっと早く知っておけばよかった、興味をもって勉強しておけばよかったと思います。
ですが、今知れてよかったとも思います。
取り返しがつかなくなる前に、できることをやっていきたいものです。
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